井の頭池だよりR6　1月

アメリカザリガニは、2023年6月に外来生物法により「条件付特定外来生物」に指定されました。野外での捕獲や飼育は今まで通り可能ですが、輸入・販売・野外への放流などが禁止されました。井の頭池では、2017年度までの3回のかいぼりで大型の肉食性外来魚を根絶し、現在はかいぼりでは対処できないアメリカザリガニの防除に力を入れています。
2023年の防除活動は、4月から11月まで半年以上続きました。池全体に仕掛けたワナは196個、井の頭かいぼり隊が毎週1回ワナを回収しました。
 

今シーズンのアメリカザリガニ捕獲結果は、総捕獲数23520匹で、ワナ（遮光カゴ）1個あたりの捕獲量は2.3匹でした。
2022年度は、ザリガニの捕獲数が過去最多数に跳ね上がっていました。今期は前年以下ではあるものの依然として生息密度が高い状態が続いています。
 

アメリカザリガニはイノカシラフラスコモやツツイトモなどの水草を切ったり食べたりします。また、水生昆虫などの水生生物を捕食し、生態系被害をもたらします。
井の頭池ではアメリカザリガニの根絶を目指して、従来の遮光カゴから捕獲効率の高い捕獲装置への交換を毎年進めているところです。
井の頭かいぼり隊では、ワナの回収作業をしない冬季にワナ補修やワナ作りをしています。暖かな日は屋外、風が冷たい日は屋内で、穴が空いたり壊れたワナを直したり、新しいワナの材料を加工して組み立てています。
 

水草が浮かぶ美しい池を取り戻すべく、来シーズンも野外個体の防除を進め、水辺保全活動に取り組みます。