井の頭池だよりR5 6月

2023年6月30日(金) 水鳥の繁殖シーズン、オオバンのヒナ誕生!


井の頭池では、水鳥の繁殖シーズンがピークを迎えています。
かいぼり後、井の頭池のそこかしこでカイツブリが子育てをするようになりました。現在は池全体に10つがいが生息し、抽水植物の茂みなどで営巣しているつがいが多くいます。井の頭池は、都内随一のカイツブリ繁殖地と言っても過言ではありません。
 
狛江橋近くのガマの茂みで営巣したカイツブリ

かいぼり後に井の頭池で新たに繁殖するようになった水鳥には、アオサギとカワウがいます。アオサギは定着して繁殖するには至っていませんが、カワウは2020年に初めて繁殖してから徐々に巣が増え、この秋から春の繁殖シーズンには19巣が確認されています。魚食性の水鳥にとって、井の頭池は食物の豊富な環境なのでしょう。
 
そして今年は、井の頭池で初めてオオバンの繁殖が確認されました。
黒い体色に白いおでこ(額板)が目立つオオバンは、これまで井の頭池では越冬していた水鳥です。2016年度から2018年度までの越冬数は10羽以下でしたが、ツツイトモが豊富に生育するようになった2019年度以降に増加し、秋から早春にかけて10から30羽が飛来して、地上で植物を採食したり潜水して水草を食べる様子が見られるようになっていました。
 
潜水して採ってきた水草を食べるオオバン

この春は渡りの季節が終わっても1つがいが残り、抽水植物群落や人工浮島で巣作りが確認されていました。
都内で越冬するオオバンはよく確認されますが、繁殖例は数少なく、1990年代に湾岸部の数箇所で繁殖が確認されていました。内陸部の井の頭池での繁殖はとても珍しい記録です。近隣では、千葉県の手賀沼がオオバンの繁殖地として有名です。
 
オオバン家族

5月中旬に抱卵を確認してから3週間、6月初旬に6羽のヒナが誕生しました。ヒナは産まれてすぐに水に浮かんで泳ぐことができ、黒い体に黄色い羽(幼綿羽)、赤い頭部が印象的です。
 
オオバンのヒナ

親鳥は、せっせと植物の葉や茎、水草をくわえてきてヒナに給餌していました。
ふ化から2週間後には3羽がすくすくと育ち、お茶の水池を縦横無尽に泳ぎ回っています。
ヒナの赤い頭部にはだんだんと黒い羽が生えてきます。くちばしも黄色から白色へと変化していくはずです。ヒナの羽色の変化とともに、成長を見守ってください。


 

お問い合わせ

建設局西部公園緑地事務所 工事課 0422-47-0192
ページトップへ戻る