※こちらは、令和7年7月25日(金)から7月27日(日)に開催したオープンハウスで公表した資料です。 1ページ 日比谷公園 日比谷公会堂の耐震化・改修について 「バリアフリー日比谷公園プロジェクト」に基づき、今回のオープンハウスでは、日比谷公会堂の改修に関する内容をお示しします。 公会堂は耐震化等の工事を行うため、平成28年(2016年)から利用を休止しています。 耐震化工事と併せて、ホールとしての機能拡充やバリアフリー化等を目的とした改修工事を行います。 歴史 ・当時の東京市長である後藤新平は、都市政策に関する調査研究を行うため大正11年(1922年)に財団法人東京市政調査会(現:公益財団法人後藤・安田記念東京都市研究所)を設立し、安田財閥の安田善次郎氏の寄付を受け、昭和4年(1929年)に日比谷公園内に市政会館・日比谷公会堂を建設しました。 ・市政会館・日比谷公会堂は、「市政会館」と「公会堂」の異なる機能と空間を複合的な建物として一体的な立面で完成させた、きわめて完成度の高い建造物です。  また、鉄骨鉄筋コンクリート造の初期の建物であり、本格的な音響設計が試みられた公会堂として、建築技術史上重要な建物です。  戦前から、市民文化や芸能の発信、国民に深く印象を残した出来事が起こった場所として周知されており、日比谷公園と一体となって、変化し続ける都市の記憶と景観を継承し続ける重要なランドマークとなっています。 ・令和5年(2023年)3月には歴史的建造物としての価値が認められ、東京都指定文化財に指定されました。  文化財としての価値を明らかにし、今後適切に保存管理を行うため、有識者等で構成される「市政会館・日比谷公会堂保存活用計画検討委員会」で協議を重ね、令和7年(2025年)4月に保存活用計画を策定しました。 現況写真 公園側からみた日比谷公会堂 完成直後の日比谷公会堂の写真(東京市政調査会所蔵) 現況と大きな違いは見られない 断面イメージ図 北側の芝庭広場(旧第二花壇)側から見て手前側が日比谷公会堂、奥側が市政会館 現状の課題 耐震性能の不足、施設の老朽化・ホール機能の不足、歴史的建造物として保存していくための改修 耐震性能の不足 客席と客席通路、天井の写真 ・耐震診断の結果、耐震性能が不足している状況です。 ・モルタル塗りで作られているホールの天井は、地震に対して脆弱な状況です。 施設の老朽化・ホール機能の不足 客席通路の階段の写真 ・現行法令の基準を満たさない通路や段差等があります。また、3階以上はエレベーターが設置されていません。 ・客席の幅が狭く、適切なサイトラインが確保されていない等、観覧の快適性が十分に確保されていません。 ・利用者用のトイレが不足しています。 ・出入口から楽屋、楽屋からステージまでの動線は、エレベーターがなく、バリアフリー化されていません。また、バックヤードが不足しています。 ・照明や音響等の設備、舞台装置が老朽化しています。 歴史的建造物として保存していくための改修 外壁の写真 ・創建当初から残された外壁タイルに割れや欠損が見られます。 ・建具の一部は創建当時から改変されています。 ・建物の歴史的な価値や魅力が十分に発信できていません。 2ページ 耐震化・改修の方針 3点 ・不特定多数の人が訪れる施設に求められる、安全性を確保します。 ・多彩なイベントやコンサートに使用できる多目的ホールとしての機能を拡充するとともに、バリアフリーを推進します。 ・歴史的建造物としての価値を保存、継承します。 日比谷公会堂外観の将来イメージ図 改修後、北側からの鳥瞰イメージ ※樹木を含む外構は今後の検討によります 配置図 現況、改修後 改修後は、北側の芝庭広場から(旧第二花壇)側から見て、建物左手の位置にエレベーター棟と地下リハーサル室が増築され、建物右手の園路を挟んだ先に屋外機置場が配置されている 歴史的価値を生かした公会堂の改修 ・耐震化 ・バリアフリー化 ・ホール機能の充実 ・バックヤード機能の拡充 ・歴史的建造物として保存していくための改修 公会堂の地下1階から地上4階までの平面図で改修対象となる場所を示した図、どのフロアも市政会館は対象外 地下1階:公会堂部分の楽屋とリハーサル室 1階:正面玄関とホワイエ(ホワイエではアーカイブカフェを実施予定)、増築棟(エレベーター棟)搬入用エレベーター 2階:ホワイエ、客席、ステージ、増築棟(エレベーター棟)搬入用エレベーター 3階:テラス、ホワイエ(ホワイエではギャラリーを展示予定)、客席 4階:ホワイエ(ホワイエではギャラリーを展示予定)、客席 3ページ 日比谷公会堂の魅力向上 5点 耐震化、バリアフリーの推進、ホール機能の充実、バックヤードの拡充、歴史的建造物として保存していくための改修 1点目、耐震化 ・既存の建物の基礎に地震の揺れが建物に直接伝わらないようにするための免震装置を設置します。建物のデザインや機能を損なうことなく地震に対する安全性を確保します。 ・加えて、柱や壁、梁の剛性を向上させるための耐震補強を行い、地震に対する建物の安全性を確保します。 ・その他、ホール天井が落下しないよう改修する等、安全性を確保するための改修を行います。 免震化のイメージ 現況 地震力が直接伝達し大きく揺れる 免震化後 免震装置で地震力を吸収、揺れを小さくする 2点目、バリアフリーの推進 ・利用者が全ての階を移動することができるエレベーターを設置します。 ・通路をバリアフリー化し、客席まで段差なく移動できるようにします。 ・トイレは利用者に応じた数量を確保するとともに、バリアフリー化や機能を充実させます。 ・様々なニーズに配慮し、車いす席、親子室や多目的室を設けます。 ・誰もが楽しめるよう客席に集団補聴設備を設けるほか、音声ガイドや字幕等を活用できるようにします。 バリアフリー化のイメージ 平面図 増築棟:エレベーター(搬入用)設置 既存棟ホワイエ北東側:トイレの充実、エレベーター(利用者用)設置 既存棟ホワイエ北西側:バリアフリートイレの設置、トイレの充実 客席:車いす席・親子室・多目的室の設置 3点目、ホール機能の充実 ・適切なサイトラインを確保し、ゆったりと観覧できる客席にします。  また、快適に鑑賞できる環境を確保するため、ホワイエと客席の間に前室を設けます。 ・様々なニーズに対応できるよう照明や音響等の設備、舞台装置を更新します。 ホール断面イメージ 天井の改修 ステージ天井部の舞台関係設備の更新 ゆったりと観覧できる客席に改修 4点目、バックヤードの拡充 ・資機材の搬入搬出時や、楽屋からステージまでの移動に使用するためのエレベーターを新設し、出演者動線のバリアフリー化を図ります。 ・リハーサル室を新設するとともに楽屋を増設します。 将来イメージ図 東側からの外観イメージ 地上2階部分までエレベーター棟が増築されている ※樹木を含む外構は今後の検討によります 5点目、歴史的建造物として保存していくための改修 ・ホールやホワイエ等の主要な空間は建設当初の設計趣旨を尊重して復原します。 ・窓サッシは、創建時のデザインに配慮し改修します。 ・ホワイエは公会堂の魅力や歴史を知ってもらうとともに憩いの場となるアーカイブカフェやギャラリー等として利用できるようにします。 創建時ホールの写真 客席上方からステージを見下ろす写真 創建時ホワイエの写真 クラシカルな西洋風のホワイエで柱はレンガ造り、天井はやや高く、小さいシャンデリアのような照明が連なっていて、床面にも装飾模様が施されている 樹木 ・樹木は可能な限り現在の位置に残すこととし、移植が必要となった場合は樹木診断を行った上で公園内もしくは一旦公園外に仮移植した後に復植します。 公会堂及び周辺の平面図について、既存樹と移植樹の配置イメージ図 以上